
1日から開催しているSashiki展も残すところあと2日となりました。オーダー会ということで、サイズはもちろんツバの広さやトップのボリューム、リボンなどお客さまのご要望は様々。5月にはお客さまお一人お一人の個性溢れる帽子が仕上がってくるのでしょう。今からとても楽しみです。
今日はデザイナーであるサシキさんから伺った、お客さまと帽子との出会いにまつわる話を紹介したいと思います。
茅ヶ崎にあるサシキさんのお店には、フルオーダーで帽子が作れるということもあり帽子好きの方がたくさん来られます。
「トランクに収納できる帽子をつくりたい」
写真の帽子は、あるお客さまの強いご要望をカタチにしたのがはじまりだったそう。毎年決まってフランス旅行に行っているというそのご老人。長年愛用していた帽子がもう使えなくなり、同じように愛用できるものを探されていました。
「コットン素材はカジュアルになりすぎるし、麦は収納に困る。これはトランクに詰めて旅行にも行けるし、レストランで食事をする時も散歩に行く時にも僕にはこれが丁度いいんだよ。」
ニッコリと笑って、新しくあつらえたその帽子をトランクに詰めフランスに旅立って行ったご老人。 その後ろ姿を想像すると何だか嬉しくなりました。きっと自分の時間を演出するうえで、なによりもその帽子は欠かせない存在だったのでしょう。
ものをつくる側として、それがお客さまの日々の一部となり、大切な時間を過ごす為に必要な存在となっていく…改めてものづくりの醍醐味を感じます。そしてその瞬間が垣間見れた時、伝える側として接客の醍醐味を感じるのだと思います。
d'antan